2011年5月19日木曜日

白血病の治療薬の効能追加

ノバルティス、抗悪性腫瘍剤「グリベック」の効能追加を申請

抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)」

好酸球増多症候群/慢性好酸球性白血病の治療薬として効能追加を公知申請

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、本日、抗悪性腫瘍剤「グリベック(R)錠100mg」(一般名:イマチニブメシル酸塩) について、FIP1L1-PDGFRα 陽性の好酸球増多症候群(HES)/慢性好酸球性白血病(CEL)の治療薬として、効能追加の公知申請を行いまし た。

血液がんの一種である好酸球増多症候群(Hypereosinophilic syndrome; HES)/ 慢性好酸球性白血 病(Chronic eosinophilic leukemia; CEL)は、好酸球が過剰に増殖して正常な造血が阻害されたり、増殖した好酸球が心 臓、肺、脾臓、皮膚および神経系などに浸潤することで、様々な臓器障害を引き起こす疾患です。中でも心筋への好酸球浸潤は約58%の患者さんに認められ、 こうした患者さんは心不全を起こすことがあり、予後は不良です。

早期診断や心合併症などに対する補助療法の進歩により、生存率に改善はみられるものの、依然として難治性の疾患であり、これまで国内では有効な治療法がありませんでした。

「グリベック」は、特定のがん細胞で重要な役割を果たすと考えられる異常なチロシンキナーゼを標的としており、HES/CELにおいては、発症の原因となる腫瘍タンパクであるFIP1L1-PDGFRαの活性を阻害することで治療効果を示します。

海外では、HES/CELの効能を米国、EUをはじめとする各国で取得しており、すでに欧米ではHES/CELの標準療法の一つとなっています。

「グリベック」は、日本では、慢性骨髄性白血病治療薬として2001年に発売され、その後2003年にKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、2007年にフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の効能追加を取得しています。