2011年6月16日木曜日

大腸がんを1時間で全自動高精度検査

世界初、全自動で大腸がんの遺伝子変異型を検出

凸版印刷(東京都千代田区)などが13日発表したところによると、同社と理化学研究所(埼玉県和光市)ゲノム医科学研究センター(鎌谷直之センター長)、理研ジェネシス(東京都台東区)は、共同研究で、全自動小型遺伝子型解析システムを開発した。

この全自動小型遺伝子型解析システムを用いたシカゴ大学との共同研究で、約140例の大腸がん患者から採取した、がん組織内の遺伝子変異の解析を試みたところ、大腸がんの遺伝子変異を全自動で、しかも1時間以内に高感度かつ高精度に検出できることが明らかになったという。

現在、遺伝子解析手法として一般的なダイレクトシークエンス法では、採取したがん組織中に存在する30%以下の遺伝子変異を検出することは困難とされている。一方、今回のシステムでは高感度なインベーダープラス法を採用し、専用の自動装置と組み合わせることで、大腸がん組織中の5%の変異を安定的に検出できるという。また、その操作も、専門家でなくても比較的容易だとのこと。これにより分子標的薬の奏効性予測が容易になれば、いわゆるオーダーメイド医療の実現に大きく近づくことになろう。

2011年6月16日 医療人材ニュース