2011年7月4日月曜日

C型肝炎から肝がん移行の危険性が2倍

C型肝炎のがん移行、遺伝子変異で危険性2倍に 理研など発見

C型肝炎にかかった場合に、悪化して肝がんになる危険性と関係のある遺伝子変異を発見したと、理化学研究所や広島大などのチームが3日付の米科学誌ネイチャージェネティクス(電子版)に発表した。

遺伝子変異は、個人によって遺伝子の塩基配列が1カ所だけ異なる一塩基多型(SNP)。特定のSNPがあると、ない場合に比べ、C型肝炎から肝がんに移行する危険性が約2倍になるという。チームは「肝がん発症の仕組みの解明や診断法の開発につながる」としている。

日本では年間3万人以上が肝がんで死亡。7割はウイルス感染によって起きるC型肝炎が原因という。国内のC型肝炎ウイルスへの感染者は、肝炎を発症していない人も含め150万人以上とも推定されている。

チームは、C型肝炎患者で肝がんを発症した922人と、発症しなかった2390人の計3312人の遺伝子を比較し解析。発症する危険性は、女性よりも男性で、また65歳以上の高齢者で比較的高いことが分かった。

2011年7月4日 共同通信