2011年7月28日木曜日

国のがん治療データを公表

がん治療データ集計、病院名を初公開 初診患者数に差

全国のがん診療連携拠点病院での治療データを集めた「がん登録」集計が、初めて病院名と共に公開されることになった。初診患者数が8千人以上ある病院から150人に満たない病院まで幅があり、特定の病院に患者が集まる傾向があった。がんの進行度の国際比較も今回初めて実施、日本の乳がん患者は米国の患者より進行した段階で診断される場合が多いこともわかったという。

がん診療連携拠点病院は質の高い治療をどの地域でも受けられること を目指して国が整備している。各施設での患者登録を2007年分から開始、国立がん研究センターが集計している。今回の公表は08年分で約360病院の約 43万人分。同年に診断された国内の全患者の6割ほどを占めると推計されている。

初診患者数が多いのは、がん研有明病院(東京都)の8600人や、国立がん研究センター中央病院(東京都)6684人、同センター東病院(千葉県)4454人、静岡県立静岡がんセンターの4183人など。一方で136人といった病院もあった。

今回初めて、胃や大腸、肺など主要な五つのがんの進行度分類を国際分類に合わせて登録し海外との比較が可能になった。米国のデータと比べると、乳がんでは、早期に見つかった患者が日本は1割だったが米国では2割いた。胃がんでは日本は比較的早期に見つかる人が6割以上いた。米国の2割と比べて多かった。  国立がん研究センターのウェブサイト内にある「がん情報サービス」で公開されている。

2011年7月26日 朝日新聞



360病院のがんデータ公表=部位・治療法に特性、比較容易に-国立センター

国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院が登録した患者約43万人の発症部位や治療法などのデータを集計し、26日からホームページに公開 した。個々の病院のデータが明らかになったのは初めて。同センターは「各施設の特性が明確になった。医療の質の向上につながれば」と期待している。
公表されたのは、全国の約360病院で2008年にがんと診断された患者のうち6割のデータ。
集計結果によると、年代別では60代後半~70代の患者が最も多かった。東京や愛知では40~65歳が半数以上を占める病院がある一方、秋田、群馬、新潟、富山、山口では75歳以上が半数を超える病院もあり、地域や施設で差がみられた。

2011年7月26日 時事通信