2011年7月7日木曜日

がんの新温熱療法

磁性ナノ粒子による「癌の温熱療法」

韓国延世大学の Jinwoo Cheon 氏の率いる研究チームは、磁性ナノ粒子を癌組織に注入し、電磁場で磁気発熱させることで腫瘍局所を加熱してがん細胞を死滅させる「磁性ハイパーサーミア」をネズミで実験したところ、細胞を死滅させることに成功したとのこと (ScienceNOW の記事、本家 /. 記事より) 。

細胞は 43 度以上の環境で死滅させる治療法「ハイパーサーミア」は今に始まったことではないが、に侵されていない正常な細胞に影響することなく如何にして癌細胞を加温するかが課題となっていた。

研究チームは、ネズミ 3 匹の腹部に人間の脳腫瘍細胞を移植し、そこへコアシェル型ナノ粒子を注入。電磁場を作るコイルの中にそのネズミを置いたところ、コイル内の電磁場は腫瘍を 推定 43 ℃から 48 ℃にまで発熱。10 分のこの治療を 4 週間続けたところ、ネズミの細胞を死滅させることが出来たのだそうだ。これに対して、抗がん剤治療を一回受けたネズミは一時的に癌組織が縮小したものの、最終的には組織が 4 倍にまで広がってしまったという。

2011年07月06日 SLUSH Dot