2011年8月25日木曜日

子宮がん、肛門がん の予防ワクチン

子宮頸がんの予防ワクチン、肛門がんリスクも低減

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンが、女性の肛門がん発症リスクも減らすとの研究結果が、23日の英医学誌「ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)」に掲載された。

研究はコスタリカの18~25歳の健康な女性4210人を対象に、HPVワクチン「サーバリックス(Cervarix)」とA型肝炎ワクチンのいずれかを無作為に選んで投与し、4年後に女性たちの子宮頸部と肛門へのHPV16型と18型の感染の有無を調べた。

結果、サーバリックスの投与を受けていた女性の子宮頸部感染リスクは、ワクチンの投与を受けていた女性よりも76%低く、また肛門感染リスクは62%低かった。

1年間の肛門がんの発症件数は10万人に2例程度と少ないが、女性は男性と比べて2倍かかりやすい。この原因は明らかになっていないが、肛門を使った性交が原因の可能性もある。

人口全体では、男性と性交をする男性が肛門がんにかかりやすく、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染していない同性愛者では10万人のうちで年40例、HIV感染者では10万人に80例ほどとなっている。

これまでの研究で、肛門がんの大半の原因がHPVであることや、HPVに関連した肛門がんでは、症例の80%近くがHPV16型または18型により引き起こされていることが分かっている。

米ミズーリ大(University of Missouri)の専門家、ダイアン・ハーパー(Diane Harper)氏とスティーブン・フィールターレル(Stephen Vierthaler)氏は、ランセット・オンコロジーに掲載された解説で、肛門がんの対策としてのHPVワクチン接種の費用便益ははっきりしないと述べ た。

2011年08月24日 AFP