2011年9月22日木曜日

がんに集まる新型高分子


京大・島津、がんに集まる新型高分子 免疫すり抜け患部に

京都大学の木村俊作教授と島津製作所は、がんの診断と治療の両方に使える高分子を開発した。大きさを20ナノ(ナノは10億分の1)メートル前 後にすると、体の免疫反応をすり抜けてがんの患部に繰り返し集まることをマウスの実験で確認した。通常は免疫反応が起きるため、せっかくがんに届く化合物 を作っても繰り返し使えない。効率的ながんの診断と治療に役立てるため、1年後の臨床応用に向けて準備を始めた。
 開発したのは、がん患部に集まる性質がある「ラクトソーム」と呼ぶ球状の高分子。材料にはポリ乳酸など体内で自然と分解するものを使った。がんの周りには血管が多くあるため、注射で血管に入れた高分子は体内を巡りながらがん周辺に集まってくる。

2011/9/22 日経産業新聞