2012年2月28日火曜日

大腸がん末期でも手術可能

大腸がんは結腸と直腸にできるがん。
男性では、胃がんに次いで2番目、女性でも乳がんに次いで2番目に多いがんです。日本では年間約10万人が大腸がんになり、そのうち約4万人が亡くなられています。

早期の大腸がん場合は小さなポリープなので、内視鏡で比較的容易に手術が可能です。しかし、少し大きくなると、腸を20~30cm切除して繋ぐ手術が必要になります。手術後に取り残したがんがある場合や、がんが再発した場合は、抗がん剤による化学療法で治療を行います。

抗がん剤は保険承認されている内外格差が問題になることが多いのですが、大腸がんの抗がん剤は海外との差がなく多くの抗がん剤が承認されているため治療に利用可能です。有効な大腸がん用の抗がん剤は、フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチンの3種類と抗VEGF抗体など分子標的薬2種類、計5種類です。 7年前には大腸がん用の抗がん剤が2種類に限られていたことと比較すると、保険診療が適用できる抗がん剤が5種類に増えたのはがん患者には福音と言えるでしょう。中でも、2005年に「オキサリプラチン」の承認が出たことが大きいと言われています。

大腸がんから、肝臓へ転移がんがあり、一昔前なら大きくて手術できない=末期がんとされた症例でも、抗がん剤を使ってがん病巣を小さくすることによって、手術できるようになる可能性があるのです。それほどに、新しく登場した分子標的薬の抗がん剤は、副作用が少なく、主にがん細胞を攻撃してくれます。抗がん剤治療は、個々人で異なるがん細胞の性格を観察しながら、使う抗がん剤を変えていくことが、医師の技量でもあります。

大腸がんで余命宣告を受けるような、いわゆる末期がんの状態からでも、これらの抗がん剤を使うことによって、半分以上が約2年間以上の余命を全うしています。

日本での大腸がん治療は、保険適用で使える抗がん剤が豊富で、外科手術の成績もよく、結腸がんの治療成績は、世界トップレベルです。それでも早期発見早期治療に勝る治療法は無く、定期的に検診を受けて、早期発見することが重要なのです。