2012年4月10日火曜日

糖尿病の治療薬でがん治療

糖尿病治療薬、がんに有用の可能性

糖尿病の治療薬「メトホルミン」(商品名「メトグルコ」など)が、多くのがん患者に対して有用性を示す研究成果が発表された。糖尿病とがんに密接な関連があることは既知であり、メトホルミンを使うことで糖尿病患者のがん発症が抑制されるという研究結果は、主に大腸がんを中心に報告されてきた。今回の発表では、膵臓がん、前立腺がん、肝臓がん、口腔(こうくう)がん、メラノーマ(悪性黒色腫)と、種類の異なるがんに対しての有効性が検証され、結果が得られた とされている。

膵臓がんに対しては、メトホルミン使用により32%の死亡リスク低下が得られた。前立腺がん患者への安全性を確認が確認された。また、肝臓がんへの投与では、保護的作用の可能性が示唆された。さらに、口腔がんへの進展は最大で90%も抑制されたのだ。

メトホルミンと抗がん薬の併用療法が、治療後の経過があまり良くないメラノーマに対する新たな選択肢となる可能性は高まっている。

研究論文は、3月末の米国がん研究協会(AACR)へ発表された。