2012年6月22日金曜日

肝臓がん再発の確率に備える

肝臓がんは非常に再発しやすい、やっかいながん。完璧な治療で完快を得ても、年に15~20%という高い確率でがんが再発する。5年間での再発率は約80%にもなるのだ。

手術での切除や、熱してがん細胞を死滅させるラジオ波焼灼(しょうしゃく)術でがんを完全に取り去っても、残った肝臓はすでに慢性の肝臓病が進行して肝がんができやすい状態になっている。そのため、肝臓の他の場所にがんが再発し易いのだ。

肝臓がんの治療は、一旦克服した後の再発予防や最も重要なのだ。残念ながら肝がんの再発を直接防ぐ治療はまだ無い。

しかしウイルスを抑えることは肝臓の働きを改善しがんの再発予防に効果的だ。B型肝炎やC型肝炎では一度 肝臓がんができた後でも、ウイルスを抑制することで、長期的な再発予防効果が得られる。

将来的には、肝臓がんの再発を抑える有望な薬が開発中なので、新薬の登場を待ちたい。

それまでは、肝臓がんの治療後は50%のがん再発を前提に、定期的な血液検査とエコー、コンピューター断層撮影装置(CT)などの画像診断が不可欠だ。 がん再発を早期に発見することで、再度の根治的な治療が可能となる。

肝臓がんは、慢性肝炎・肝硬変に対する治療が進歩したことで、発症が回避できるようになった。また早期発見技術が増え、その後のがん治療技術も進展し、さらに肝がん根治後の肝炎・肝硬変の治療と画像診断を繰り返すフォローの徹底によって、治療成績が飛躍的に向上している。

50%のがん再発率にも恐れる必要は無く、治療が可能だと信じて、検診を欠かさないことだ。